【季節の変わり目】5月に増える「自律神経の乱れ」と肩こりの関係

目次

はじめに

5月は爽やかな風が心地よい季節である一方、急激な気温や気圧の変化が体に様々な影響を及ぼします。特に注目すべきは「自律神経の乱れ」と、それに伴う肩こりの増加です。なぜ季節の変わり目、特に5月に自律神経の乱れが生じやすいのか、そしてそれがどのように肩こりと関連しているのかを詳しく解説します。

5月に自律神経が乱れやすい理由

気温変化のストレス

5月は一日の気温差が大きく、朝晩の冷え込みと日中の暖かさのコントラストが顕著です。この急激な温度変化に対応するため、体温調節を司る自律神経系は常に活発に働きます。気温が10℃以上変動する日も珍しくなく、これが自律神経への大きな負担となります。

気圧の変動

春から初夏にかけては低気圧と高気圧が交互に通過することが多く、気圧の変動も激しくなります。気圧の変化は体内の血管や内耳などに直接影響し、自律神経のバランスを崩す一因となります。

生活リズムの変化

5月はゴールデンウィークがあり、普段の生活リズムが崩れやすい時期でもあります。また、新年度が始まってから約1ヶ月が経過し、新しい環境でのストレスが蓄積する時期とも重なります。これらの生活面での変化も自律神経の乱れを引き起こします。

自律神経と肩こりの密接な関係

自律神経系の基本機能

自律神経系は「交感神経」と「副交感神経」の2つの系統からなり、互いにバランスを取りながら働いています。交感神経は緊張時に活発になり、副交感神経はリラックス時に優位になります。このバランスが崩れると、様々な体調不良の原因となります。

交感神経優位と筋肉の緊張

自律神経の乱れ、特に交感神経が過剰に優位になると、全身の筋肉が緊張状態になります。特に首や肩の筋肉は、姿勢維持のために常に働いているため、より影響を受けやすい傾向があります。この過度の筋緊張が肩こりの主要な原因となります。

血行不良のサイクル

交感神経が優位になると血管が収縮し、筋肉への血流が減少します。血流が悪くなると筋肉に十分な酸素や栄養が行き渡らず、老廃物も蓄積されやすくなります。これにより筋肉の疲労や緊張がさらに増し、肩こりの悪化につながるという悪循環が生じます。

肩こりと自律神経の関連メカニズム

筋膜と神経の関係

肩周りには複雑な筋膜ネットワークが存在し、自律神経の枝が多く分布しています。自律神経の乱れによって筋膜の緊張が増すと、その中を通る神経が圧迫され、痛みや不快感として感じられます。

ストレスホルモンの影響

自律神経の乱れに伴い、コルチゾールやアドレナリンなどのストレスホルモンの分泌が増加します。これらのホルモンは長期的に筋肉の緊張を高め、肩こりを悪化させる要因となります。

姿勢への影響

自律神経が乱れると、無意識のうちに姿勢が悪くなることがあります。特に疲労時や集中力が低下している時は、猫背や前のめりの姿勢になりやすく、これが肩や首への負担を増大させます。

症状のチェックポイント

以下のような症状が複数当てはまる場合は、自律神経の乱れと肩こりの関連が疑われます:

  • 朝起きた時から肩や首がこわばっている
  • 天候の変化で肩こりが悪化する
  • 精神的なストレスを感じると肩こりも悪化する
  • 頭痛や目の疲れなどを伴うことが多い
  • 休息を取っても肩こりが改善しない
  • めまいや耳鳴りなど自律神経症状と肩こりが同時に現れる

効果的な対策法

自律神経のバランスを整える

  • 規則正しい生活リズム: 毎日同じ時間に起床・就寝することで、自律神経の働きを安定させます。
  • 深呼吸と瞑想: 1日に数回、数分間の深呼吸や瞑想を行うことで、副交感神経の活動を促進します。
  • 適度な運動: ウォーキングやヨガなど、無理のない運動を継続することで自律神経のバランスを整えます。

肩こり改善のための具体的な方法

  • ストレッチ: 肩甲骨周りを意識したストレッチを1日に数回行うことで筋肉の緊張を和らげます。
  • 温熱療法: 肩や首を温めることで血行を促進し、筋肉の緊張を緩和します。
  • マッサージとツボ押し: 肩井(けんせい)や天柱(てんちゅう)などのツボを優しく刺激することで血行改善効果が期待できます。

環境調整のポイント

  • 適切な室温管理: 急激な温度変化を避け、室内では20〜22℃程度の快適な温度を維持しましょう。
  • 湿度への配慮: 乾燥は筋肉の緊張を高めるため、適度な湿度(50〜60%)を保つことが大切です。
  • 作業環境の見直し: デスクワークが多い場合は、モニターの高さやキーボードの位置など、人間工学に基づいた環境調整を心がけましょう。

栄養面からのアプローチ

  • ビタミンB群: 神経の働きを正常に保つために重要なビタミンB群を含む食品(玄米、豆類、緑黄色野菜など)を摂取します。
  • マグネシウム: 筋肉の緊張を和らげる働きがあるマグネシウム(ナッツ類、海藻、豆腐など)を意識的に取り入れましょう。
  • 水分補給: 十分な水分摂取は血液循環を促進し、老廃物の排出を助けます。

まとめ

5月の季節の変わり目は、気温・気圧の変動や生活リズムの変化により自律神経が乱れやすく、それに伴って肩こりも増加します。自律神経の乱れと肩こりは密接に関連しており、一方を改善することでもう一方も良くなることが期待できます。

日々の生活の中で、自律神経のバランスを整えるための取り組みを意識し、体が発するサインを見逃さないことが大切です。適切なセルフケアと必要に応じた専門家のサポートを組み合わせることで、5月の季節の変わり目を快適に乗り切りましょう。


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この記事を書いた人

株式会社ACTX代表取締役 兼 現役理学療法士
回復期・外来・訪問といったリハビリテーションに従事。兼業という形で、整体・自費リハ事業を開業。法人設立後、美容業界で話題の施術機器WINBACKを導入し、新しい整体・リハビリテーションの形を実現していく。

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